●特集・中核市
「中核市」って何?
本協議会の構成団体2市6町での合併が実現すると、人口約37万人の「中核市」が誕生します。
「中核市」はあまり聞きなれない都市の名称と思いますが、住民にとってはどんなメリットがあるのでしょうか?
今回はこの疑問にお答えします。
- 中核市の要件は何ですか?
- 人口30万人以上、面積100平方キロメートル以上です。
- 全国で何市あるの?
〜全国で30市、県庁所在地など名だたる都市が多数〜
- 中核市に指定されている都市は全国で30市、県庁所在地など、全国に名だたる都市ばかりです(イラスト参照)。
これらの都市と肩を並べることになり、全国的にも注目度が増し、サービス産業の立地をはじめとする企業立地や交流人口の増加などさまざまな都市イメージのアップに伴う波及効果が期待できます。
例えば、サービス産業の立地条件に関するアンケート調査結果では、ほとんどが人口30万人以上を立地に必要な人口規模としています。
また、安価な行政コストで高い所得をもたらす最適人口規模は33万人との試算もあります。
全国30の中核市
1. |
旭川市 |
11. |
岐阜市 |
21. |
倉敷市 |
2. |
秋田市 |
12. |
静岡市 |
22. |
福山市 |
3. |
郡山市 |
13. |
浜松市 |
23. |
高松市 |
4. |
いわき市 |
14. |
豊橋市 |
24. |
松山市 |
5. |
宇都宮市 |
15. |
豊田市 |
25. |
高知市 |
6. |
横須賀市 |
16. |
堺市 |
26. |
長崎市 |
7. |
新潟市 |
17. |
姫路市 |
27. |
熊本市 |
8. |
富山市 |
18. |
奈良市 |
28. |
大分市 |
9. |
金沢市 |
19. |
和歌山市 |
29. |
宮崎市 |
10. |
長野市 |
20. |
岡山市 |
30. |
鹿児島市 |
|
|
- 中核市のメリットは何ですか?
〜事務処理のスピードアップ、きめ細かなサービスを提供〜
- 住民の皆さんの生活に関連する事業の多くが、市町村でサービス申請を受付け、県でその許認可を行なう形になっています。
これが中核市になると、受付から許認可まで一連した事務処理が可能となり、期間の短縮やきめ細かな対応が可能となります。
中核市の指定を受けている横須賀市の場合、中核市移行の効果として、
- 行政サービスのスピードアップの具体例
- 身体障害者手帳の交付
平均45日→平均20日へ
- 母子・寡婦福祉資金貸付事業
平均45日→平均30日へ
- 小児慢性特定疾患認定事務
平均45日→平均30日へ
- 市民ニーズを反映したよりきめ細かな行政サービス
- 社会福祉法人、社会福祉施設の監査
これらの監査を直接実施することにより、直接施設運営を把握し、市民に密着したより適正な指導を行えます。
- 国庫補助金手続事務の委譲
一連の事務手続を国と直接行なうため、市の考え方を直接国に伝え、国の考え方も直接聞くことにより、効率的な事務処理が行えます。
- まちづくりはどうなるの?
〜個性的なまちづくりができます〜
- 都市計画に関する事務権限等の移譲により、例えば
- 市街化区域又は市街化調整区域内の開発行為の許可
- 屋外広告物の条例による設置制限などにより、個性豊かな魅力あふれるまちづくりを積極的に進めることができます。

- 財政状況ははどうなりますか?
- 事務権限の移譲に伴う財政支援(財源)の面でも、国から交付される地方(普通)交付税について優遇されています。
ちなみに平成13年度の交付税制度と基礎データによって、久留米広域合併(2市6町)が実現した場合の普通交付税交付額を算定すると下表のとおりです。
合併後10年間は交付税算定の特例期間が設けられている(合併特例法)ため、中核市に昇格する場合としない場合の差額は8億円ですが、その特例期間を過ぎると5年間の縮減期間を経て、16年後には差額が34億円となります。
この差額34億円は、中核市としての行政サービス及び権能強化への財政支援であり、交付税制度の見直しがなければ、その後も継続して確保できるものです。
また、国が予定している交付税制度の見直しは、小規模団体にとっては厳しいものとなりますが、中核市規模ではその影響はほとんどなく、場合によっては見直しがプラスになる可能性もあります。
- 今後もさらに権限が拡大
- 政府の地方制度調査会では、地方分権の流れの中で中核市に政令市並みの権限を移譲する方向で検討がなされており、中核市の仕事と責任はより大きくなっていくことが想定されます。
地方分権型社会の先進的モデル都市「中核市」の誕生にご期待ください。
●普通交付税交付額の比較
単位:億円
合併後経過年度 |
中核市になった場合
(A) |
中核市にならなかった場合
(B) |
その差
(A)-(B) |
初年度〜10
|
265
|
257
|
8
|
11
|
265
|
254
|
11
|
12
|
265
|
249
|
16
|
13
|
265
|
244
|
21
|
14
|
265
|
239
|
26
|
15
|
265
|
234
|
31
|
16年度以降
|
265
|
231
|
34
|
|
|