○久留米市男女平等を進める条例

平成14年9月30日

久留米市条例第27号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 男女平等推進のための基本的施策(第8条―第16条)

第3章 苦情等の申出の処理(第17条―第29条)

第4章 久留米市男女平等政策審議会(第30条―第33条)

第5章 雑則(第34条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本市における男女平等の推進に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項及び苦情等の申出の処理に関する事項を定め、男女平等を進めるための施策を総合的かつ計画的に実施することにより男女共同参画社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住する者、市内に通勤する者、市内に通学する者及び市内を活動の拠点とする個人をいう。

(2) 事業者等 事業者及びその他の民間団体で、市内において活動するものをいう。

(3) 男女共同参画社会 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいう。

(4) 積極的格差是正措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(5) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により当該言動を受けた個人の生活環境を害すること又は性的な言動を受けた個人の対応により当該個人に不利益を与えることをいう。

(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者等の男女間において、個人の尊厳を侵すような身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画社会の実現は、次の基本理念にのっとり推進されなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による直接的又は間接的な差別的取扱いを受けないこと、男女が個性と能力を生かす機会が確保されること、男女間におけるあらゆる暴力が根絶されることその他の男女の人権が尊重されること及び性別による差別と他の理由からなる差別とを重複して受けている男女が存在する状況に対して配慮されること。

(2) 社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の自由な選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女平等の推進を阻害する要因となっている場合は、その要因が取り除かれるよう配慮されること。

(3) 教育の果たす重要性にかんがみ、学校教育、社会教育その他のあらゆる教育の場において、男女平等を推進する視点が採り入れられること。

(4) 男女が社会の対等な構成員として、市における政策又は事業者等における方針の立案及び決定に参画する機会が、平等に確保されるよう配慮されること。

(5) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるよう配慮されること。

(6) 男女が生涯にわたり安全な環境の下で健康な生活を営み、性と生殖に関する事項に関し自らの決定が尊重されること。

(7) 男女平等の推進は、その取組が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、平和を基盤とした国際的協調の下に行われること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女平等の推進を主要な政策として位置付け、男女共同参画社会を実現するための施策(積極的格差是正措置を含む。以下「男女平等推進施策」という。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、国及び他の地方公共団体と連携を図るとともに、市民及び事業者等と協力して男女平等推進施策を実施しなければならない。

3 市は、男女平等推進施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。

4 市は、男女平等推進施策以外の施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女平等の推進を阻害することのないよう配慮しなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、男女共同参画社会について理解を深め、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女平等の推進を阻害する要因を取り除くよう努めるとともに、市が実施する男女平等推進施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者等の責務)

第6条 事業者等は、男女共同参画社会について理解を深め、その活動に関し、基本理念にのっとり、男女平等の推進を阻害する要因を取り除くよう努めるとともに、市が実施する男女平等推進施策に協力するよう努めなければならない。

(性別による差別的取扱い等の禁止)

第7条 何人も、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において性別による差別的な取扱いをしてはならない。

2 何人も、セクシュアル・ハラスメント及びドメスティック・バイオレンスを行ってはならない。

第2章 男女平等推進のための基本的施策

(政策等の立案及び決定の過程への女性の参画促進)

第8条 市は、積極的格差是正措置の一つとして次に掲げる措置を講ずるものとする。

(1) 市における政策の立案及び決定の過程への女性の参画を積極的に促進すること。

(2) 事業者等における方針の立案及び決定の過程への女性の参画を促進するため、当該事業者等に対し、必要な情報の提供、助言その他の支援を行うこと。

(情報収集及び調査研究)

第9条 市は、男女平等推進施策を総合的に策定し、及び実施するため、情報収集及び調査研究を行うものとする。

(啓発活動)

第10条 市は、市民及び事業者等が男女共同参画社会について理解を深めるため、啓発活動を行うものとする。

(男女平等推進教育の充実)

第11条 市は、学校教育、社会教育その他の教育の分野において効果的な方策を講ずることにより、男女平等を推進するための教育の充実に努めるものとする。

(家庭、職域及び地域における活動への平等な参画に対する支援)

第12条 市は、男女が固定的な性別役割にとらわれない対等な関係により、家庭、職域及び地域のあらゆる分野における活動の機会に平等に参画できるよう、必要な支援を行うものとする。

(男女平等推進活動への支援)

第13条 市は、市民又は事業者等が行う男女共同参画社会の実現に向けた男女平等を推進するための活動に対し、必要な支援を行うものとする。

(男女平等推進体制の整備)

第14条 市は、男女共同参画社会の実現に向けて、男女平等推進施策を総合的に策定し、及び実施するために必要な体制の整備に努めるものとする。

(男女平等推進拠点)

第15条 市は、久留米市男女平等推進センター(久留米市生涯学習センター、久留米市男女平等推進センター、久留米市人権啓発センター及び久留米市消費生活センター複合施設条例(平成12年久留米市条例第35号)第3条第2号に規定する施設をいう。)を、市の男女平等推進施策を実施するための拠点として位置付け、男女共同参画社会の実現に取り組むものとする。

(行動計画)

第16条 市は、男女平等推進施策を総合的かつ計画的に実施するため、男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号。以下「基本法」という。)第14条第3項の規定に基づき、市の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画として久留米市男女共同参画行動計画(以下「行動計画」という。)を策定するものとする。

2 市は、行動計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

3 市は、行動計画の実施状況について、年次報告書を作成し、公表するものとする。

第3章 苦情等の申出の処理

(男女平等推進委員)

第17条 市は、次条に規定する苦情及び救済の申出について、必要な処理をするため、市長の附属機関として久留米市男女平等推進委員(以下「推進委員」という。)を置く。

2 推進委員の定数は3人以内とする。

3 推進委員の数が2以上である場合においては、そのすべてが男女いずれか一方の性によって占められてはならない。

4 推進委員は、男女平等の推進に関し優れた識見を有し、性別による差別の解決に熱意があり、社会的信望が厚い者のうちから、市長がこれを委嘱する。

5 推進委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の推進委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 推進委員の任期は、通算して6年を超えることができない。ただし、市長が特別の事情があると認めるときは、この限りでない。

(苦情及び救済の申出)

第18条 市民及び事業者等は、推進委員に対し、市が行う男女平等推進施策に関する苦情の申出及び市が行うその他の施策が男女平等の推進を阻害していること又は阻害するおそれがあることに関する苦情の申出をすることができる。

2 何人も、推進委員に対し、市内において生じた性別による差別的取扱いその他の男女平等の推進を阻害する要因に基づく権利侵害(以下「権利侵害」という。)により被害を被った者の救済の申出をすることができる。

(推進委員の処理の対象としない事項)

第19条 前条に規定する苦情及び救済の申出(「苦情等の申出」という。)が次に掲げる事項である場合には、前条の規定にかかわらず、推進委員の処理の対象としない。

(1) 判決、裁決等により確定した事案に関する事項

(2) 裁判所において係争中の事案及び行政庁において不服申立ての審理中の事案に関する事項

(3) 国会又は地方公共団体の議会に対し請願が行われている事項

(4) 推進委員が行った苦情等の申出の処理に関する事項

(5) 前各号に掲げるもののほか、調査することが適当でないと推進委員が認める事項

2 前条第2項の規定による救済の申出は、当該申出に係る権利侵害があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があると推進委員が認めるときは、この限りでない。

(市に係る苦情等の申出の処理)

第20条 推進委員は、市に係る苦情等の申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認める場合は、市長に対し、市の施策についての意見を表明し、又は施策の是正若しくは改善のために必要な措置若しくは権利侵害により被害を被った者の救済のために必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。

2 前項の規定による意見の表明及び勧告についての決定は、推進委員の合議によらなければならない。

3 市長は、推進委員から第1項の規定により意見が表明され、又は勧告を受けたときは、当該意見又は勧告を尊重しなければならない。

4 市長は、第1項の規定による勧告を受けたときは、当該勧告に対する市の措置について推進委員に報告しなければならない。

5 推進委員は、市長から前項の規定による報告を受けたときは、当該勧告及び報告の内容を公表するものとする。

(救済の申出の処理)

第21条 推進委員は、第18条第2項に規定する救済の申出(前条の規定により処理するものを除く。以下「救済の申出」という。)があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認める場合は、権利侵害により被害を被った者を救済するためのあっせんその他調整(以下「あっせん等」という。)を行うことができる。

2 推進委員は、前項の規定によるあっせん等を行った場合において、救済の申出に係る状況が改善されていないと認めるときは、権利侵害を行い被害を与えたものに対し、改善を求めるための意見を表明することができる。

3 推進委員は、前項の規定による意見の表明を事業者等に対して行った場合において、なお救済の申出に係る状況が継続し、かつ、その態様が悪質であると認めるときは、当該事業者等に対し、救済の申出に係る状況を是正するために必要な措置をとるべき旨を要請することができる。

4 推進委員は、前項の規定により事業者等に是正を要請した場合において、当該事業者等が正当な理由なく当該要請に応じないときは、市長に対し、その経過を報告するとともに、その状況を公表するよう求めることができる。

5 第2項の規定による意見の表明、第3項の規定による要請並びに前項の規定による報告及び公表の求めについての決定は、推進委員の合議によらなければならない。

6 市長は、推進委員から第4項の規定による報告及び公表の求めが行われた場合には、その状況について必要な事項を公表するものとする。この場合において、市長は、あらかじめ当該公表に係る事業者等に意見を述べる機会を与えなければならない。

7 市長は、前項の規定による公表を行ったときは、推進委員に対し、その内容を通知しなければならない。

(自己の発意による苦情等の処理)

第22条 推進委員は、自己の発意に基づき、第20条第1項及び前条第1項から第4項までの規定による調査、意見の表明、勧告、あっせん等、要請並びに報告及び公表の求めを行うことができる。この場合において、第20条第2項から第5項まで及び前条第5項から第7項までの規定を準用する。

(処理の経過及び結果の通知)

第23条 推進委員は、第20条から前条までの規定により、意見を表明し、勧告し、あっせん等を行い、是正を要請し、若しくは市長に対して公表を求め、又は市長から報告を受け、若しくは市長からの通知があったときは、苦情等の申出を行った者(苦情等の申出を行った者が、権利侵害により被害を被った者と異なる場合にあっては、それぞれの者)に対して、その旨を通知するものとする。

2 前項の規定によるあっせん等を行った旨の通知は、当該通知を受けるべき者があっせん等の当事者である場合は、これを省略することができる。

(調査への協力)

第24条 市は、推進委員が第20条第1項の調査を行う場合において、その調査を拒んではならない。

2 市民及び事業者等は、推進委員が第21条第1項の調査を行う場合において、その調査の実施に協力するよう努めなければならない。

(職務の遂行)

第25条 推進委員は、公平適切かつ迅速にその職務を遂行しなければならない。

2 推進委員は、その職務の公平な遂行に支障を生ずるおそれのある苦情等の申出についての処理に関わることができない。

(兼職の禁止)

第26条 推進委員は、国会議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長、地方公共団体に執行機関として置かれる委員会の委員若しくは委員又は地方公共団体の常勤の職員若しくは地方公務員法(昭和25年法律第261号)第28条の5第1項に規定する短時間勤務の職を占める職員と兼ねることができない。

(政治的行為の制限)

第27条 推進委員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となってはならず、又はその職務上の地位をこれらの団体若しくは政治的目的のために利用してはならない。

(解職の制限)

第28条 市長は、推進委員が、心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められる場合又は推進委員としてふさわしくない行為があると明白に認められる場合でなければ、その職を解くことができない。

(守秘義務)

第29条 推進委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

第4章 久留米市男女平等政策審議会

(設置)

第30条 市は、行動計画その他の男女平等の推進に関する重要な事項を調査審議するため、市長の附属機関として久留米市男女平等政策審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(組織)

第31条 審議会は、委員20人以内をもって組織する。

2 審議会の委員は、学識経験を有する者及び男女平等の推進に関し優れた識見を有する者のうちから、市長がこれを委嘱する。

3 審議会の委員の構成は、男女いずれか一方の委員の数が審議会の委員の総数の10分の4未満であってはならない。

4 審議会の委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の審議会の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 審議会の委員の任期は、通算して6年を超えることができない。ただし、市長が特別の事情があると認めるときは、この限りでない。

(所掌事務)

第32条 審議会は、次に掲げる事務を行う。

(1) 市長の諮問に応じて、行動計画の策定及び変更に関し、調査審議し、意見を述べること。

(2) 行動計画の実施状況に関する年次報告書の内容についての報告を受け、必要に応じて、これに対する意見を述べること。

(3) 前2号のほか、市長の諮問に応じて、男女平等の推進に関する重要な事項に関し、調査審議し、及び答申を行い、又は必要があると認める事項について、市長に意見を述べること。

(意見の聴取)

第33条 審議会は、その所掌事務の処理に必要があるときは、市の機関の職員の出席を求め、意見を聴くことができる。

第5章 雑則

(委任)

第34条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(準備行為)

2 この条例を施行するために必要な推進委員及び審議会委員の委嘱その他の準備行為は、この条例の施行の日前においても行うことができる。

(田主丸町、北野町、城島町及び三潴町の編入に伴う委員の任期の特例)

4 田主丸町、北野町、城島町及び三潴町の編入に伴い、当該編入の日以後最初に委嘱される久留米市男女平等政策審議会の委員(当該編入の際現に久留米市男女平等政策審議会の委員であるもの(以下「現行の委員」という。)の任期中に新たに委員として委嘱されるものに限る。)の任期は、第31条第4項の規定にかかわらず、現行の委員の任期の満了する日までとする。

(平16条例52・追加)

附 則(平成16年12月28日条例第52号)

この条例は、平成17年2月5日から施行する。

久留米市男女平等を進める条例

平成14年9月30日 条例第27号

(平成17年2月5日施行)

体系情報
第7類 生/第1章 社会福祉
沿革情報
平成14年9月30日 条例第27号
平成16年12月28日 条例第52号