○久留米市産業廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する条例
平成19年12月20日
久留米市条例第63号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 紛争の予防に係る手続等
第1節 環境調査書の周知(第5条―第9条)
第2節 環境調査書に対する意見の調整(第10条―第13条)
第3節 調査計画届等の変更又は計画の廃止(第14条・第15条)
第3章 紛争のあっせん(第16条・第17条)
第4章 雑則(第18条―第23条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、産業廃棄物処理施設の設置に際し、産業廃棄物処理施設の設置が周辺の環境に及ぼす影響の調査及びこれに対する周辺住民の環境保全上の意見を求めるための手続その他意見の調整及びあっせんに関し必要な事項を定めることにより、設置者の適正な施設設置計画の決定に資するとともに、紛争の予防及び公正な処理を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「産業廃棄物」とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第4項に規定する産業廃棄物をいう。
2 この条例において「産業廃棄物処理施設」とは、次に掲げる施設をいう。
(1) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第7条各号に規定する産業廃棄物の処理施設
(2) 前号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして規則で定める産業廃棄物の処理施設
3 この条例において「産業廃棄物処理施設の設置」とは、産業廃棄物処理施設を新たに設置し、又は規則で定める変更をすることをいう。
4 この条例において「紛争」とは、産業廃棄物処理施設の設置に伴い周辺住民と設置者との間に生じる環境の保全及び土地の利用方法に関する争いをいう。
5 この条例において「設置者」とは、産業廃棄物処理施設の設置をしようとする者をいう。
7 この条例において「周辺住民」とは、指定地域内に住所を有する者、指定地域内で農業、林業、漁業等に従事する者その他規則で定める者をいう。
(市の責務)
第3条 市は、産業廃棄物処理施設の設置が適正かつ円滑に行われるように、設置者に環境の保全に配慮するよう指導するとともに、周辺住民の産業廃棄物処理施設の必要性等に対する理解が得られるよう努めるものとする。
(設置者及び周辺住民の責務)
第4条 設置者は、産業廃棄物処理施設の設置計画の策定に当たっては、この条例に定める手続を遵守するよう努めるとともに、周辺の環境が適正に保全されるよう必要な措置を講じ、紛争を未然に防止するよう努めなければならない。
2 設置者及び周辺住民は、相互の立場を尊重し、紛争を自主的に解決するよう努めるとともに、紛争の予防及び調整に関して市が行う施策に協力するよう努めなければならない。
第2章 紛争の予防に係る手続等
第1節 環境調査書の周知
(調査計画届及び環境調査書の提出)
第5条 設置者は、産業廃棄物処理施設の設置計画を策定するときは、次に掲げる事項を記載した調査計画届を市長に提出しなければならない。
(1) 設置者の氏名又は名称及び住所
(2) 施設の概要
(3) 設置場所
(4) 次項に規定する調査の概要
2 前項の規定により調査計画届を提出した設置者は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭その他周辺の環境に及ぼす影響について必要な調査を行った上で、規則で定める事項を記載した調査書(以下「環境調査書」という。)を作成し、市長に提出しなければならない。
(指定地域)
第6条 市長は、前条第2項の規定による環境調査書の提出があったときは、規則で定めるところにより、環境調査書に係る指定地域を定めなければならない。
2 市長は、前項の規定により指定地域を定めたときは、速やかに、その旨を設置者に通知するものとする。
3 市長は、第1項の指定地域を定めるに当たって、当該産業廃棄物処理施設の設置が本市に隣接する他の市町村の住民に対し環境の保全上の支障が生じるおそれがあると認めるときは、当該市町村の長に環境調査書が提出されている旨の通知をするものとする。
(告示及び閲覧)
第7条 市長は、前条第2項の規定による通知をしたときは、速やかに、環境調査書の提出があった旨、指定地域、閲覧の場所その他規則で定める事項を告示し、環境調査書を告示の日から30日間、規則で定めるところにより、閲覧に供しなければならない。
2 前項の場合において、市長は、あらかじめ、告示する内容を設置者に通知するものとする。
(説明会の開催等)
第8条 設置者は、前条第1項の閲覧期間内に、規則で定めるところにより、指定地域内において環境調査書の説明会を開催しなければならない。この場合において、指定地域内に説明会を開催する適当な場所がないときは、指定地域以外の地域において開催することができる。
2 設置者は、前項の説明会を開催する場合には、説明会開催日の10日前までに、その日時、場所等を印刷物の配布等の方法により、あらかじめ周辺住民に周知するとともに、市長にその旨を報告しなければならない。
(実施状況の報告)
第9条 市長は、必要があると認めるときは、設置者に対し、前条の規定により行った説明会の実施状況等について報告を求めることができる。
第2節 環境調査書に対する意見の調整
2 市長は、前項の意見書の提出があったときは、速やかに、その写し又は意見の要旨を記載した書面(以下「意見書等」という。)を設置者に送付するものとする。
(見解書の提出等)
第11条 設置者は、意見書等の送付を受けたときは、遅滞なく、意見書等に対する見解を記載した書面(以下「見解書」という。)を作成し、市長に提出しなければならない。
2 設置者は、前項の規定による見解書の提出後、周辺住民に対し、見解書について、説明会の開催、見解書の配布その他の方法により、周知に努めなければならない。
3 設置者は、前項の規定により周辺住民に対し見解書について周知を図ったときは、規則で定めるところにより、その実施状況について市長に報告しなければならない。
2 市長は、前項の意見の調整を行うときは、必要に応じて久留米市産業廃棄物審議会の意見を聴くものとする。
(環境の保全に関する協定の締結)
第13条 市長は、周辺住民が産業廃棄物処理施設の設置に関し、設置者との間において、環境の保全のために必要な事項を内容とする協定を締結しようとするときは、その内容について必要な助言を行うものとする。
第3節 調査計画届等の変更又は計画の廃止
(調査計画届等の変更の届出等)
第14条 設置者は、調査計画届又は環境調査書についてその記載事項の内容を変更しようとするときは、その旨を市長に届け出なければならない。
(産業廃棄物処理施設設置計画の廃止の届出等)
第15条 調査計画届を提出した設置者は、当該調査計画届に係る産業廃棄物処理施設の設置をしないこととしたときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。
第3章 紛争のあっせん
(あっせん)
第16条 次の各号のいずれかに該当する場合、設置者及び周辺住民(以下「当事者」という。)の双方又は一方は、市長に対し、あっせんの申請をすることができる。
3 市長は、前項のあっせんを行うため、必要に応じ、本市に隣接する他の市町村のうち必要と認める市、町又は村の長に対し協力を求めることができる。
4 市長は、関係市町村長(前項の規定により協力を求めた市、町又は村の長をいう。以下同じ。)と協力して、当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めなければならない。この場合において、市長は、あらかじめ、久留米市産業廃棄物審議会の意見を聴かなければならない。
(あっせんの打切り)
第17条 市長は、あっせんに係る紛争について、当事者があっせんに応じないときその他紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。
2 市長は、前項の規定によりあっせんを打ち切るに当たっては、関係市町村長の意見を求めるものとする。
3 市長は、あっせんを打ち切ったときは、その旨を当事者及び関係市町村長に通知しなければならない。
第4章 雑則
(勧告及び公表)
第19条 市長は、設置者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該設置者に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
(1) 第5条第2項の規定による環境調査書の提出をせず、又は虚偽の環境調査書の提出をしたとき。
(2) 第8条第3項の規定により市長が開催するよう求めた説明会を正当な理由がなく開催しないとき。
(3) 第11条第1項の規定による見解書の提出をしないとき。
2 市長は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者が勧告に従わないときは、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。
(久留米市産業廃棄物審議会)
第20条 市に、久留米市産業廃棄物審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、次に掲げる事務を行うものとする。
3 審議会の委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(適用除外)
第22条 次に掲げる産業廃棄物処理施設については、この条例の規定は、適用しない。
(1) 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車に搭載され、又は牽引される産業廃棄物処理施設
(2) 災害、老朽化に伴う解体等により産業廃棄物処理施設が滅失し、滅失前と同一の場所に設置する産業廃棄物処理施設(滅失前の規模以下のものであって、滅失前と同等以上の環境保全上の措置が講ぜられていると認められるものに限る。)
(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全上支障がないと認められる産業廃棄物処理施設であって、規則で定めるもの
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。