○久留米市文化芸術振興条例

平成18年3月30日

久留米市条例第17号

(前文)

耳納連山を仰ぎ、筑後川の流れに沿って伸びやかに広がる久留米市は、自然環境と地の利に恵まれ、長い歴史と伝統の上に豊かな文化芸術の土壌を形成して来ました。

私たちは、先人から受け継いだ有形無形の財産を、かけがえのない大切なものとして受け継ぎ、さらに豊かなものとして次の世代へと引き継いでいかなければなりません。

文化芸術は、人々の心を潤して豊かな感性や個性を育てるとともに、産業経済や地域社会に活力を与えて誇りが持てる生き生きとした社会を生み出します。また、文化芸術は、人々のお互いの理解やふれ合い、交流を促し、世界に平和をもたらすものとして、これからの社会づくりに限りなく大きな役割を担っています。

市民一人ひとりの個性を大事にしながら、心の豊かさが実感できる市民生活の実現と誇りと自信が持てる生き生きとした社会の構築を目指して、文化芸術をさらに盛んにするための総合的な取組を積極的に進めていくため、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、文化芸術の振興に関し、基本理念や施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術を振興するために必要な施策の推進や活動の促進を図り、市民の誰もが文化芸術に親しみ、自らの意思で積極的に文化芸術活動を行い、個性豊かな久留米らしい文化芸術の創造に取り組むまちづくりに寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 文化芸術の振興に当たっては、文化芸術の振興を担うのはすべての市民(企業及び団体を含む。以下同じ。)であることを踏まえ、市民の自主性及び意思が尊重されなければならない。

2 文化芸術の振興に当たっては、文化芸術活動を担う市民の個性や価値観、多様性が尊重されなければならない。

(文化芸術)

第3条 この条例における「文化芸術」とは、芸術文化に限らず、地域の伝統や生活に根ざした文化などを含む幅広いものとする。

(市民との協働)

第4条 市民と市は、互いに協力して文化芸術の振興に関する活動に取り組むものとする。

(機会や場の確保)

第5条 市民と市は、文化芸術の創作、練習、交流、発表、鑑賞等を行うための多様な機会や場の確保に努める。

2 市民と市は、文化芸術活動を行う場として、公の施設だけでなく民間の施設も積極的に活用されるよう努める。

(情報の提供)

第6条 市は、市民が文化芸術活動を行うときに必要な情報を得やすいような情報提供の方法及び仕組みを整えるものとする。

(人材の育成及び活用)

第7条 市民と市は、地域の芸術活動を行う者を育成し、活用することに努める。

2 市民と市は、子供の豊かな感性や情緒等を育むために、地域や学校において、子供が文化芸術を体験したり、学習したりする多様な機会や場を確保し、提供することに努める。

3 市民と市は、市民が文化芸術活動を支援しやすくするための環境づくりや人材の育成と活用に努める。

(財政上の措置)

第8条 市は、文化芸術を振興するために、効率的で効果的な施策や事業の推進と市民の文化芸術活動における主体性に配慮して、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(市民支援の促進)

第9条 市は、文化芸術活動に対する市民による支援が効果的に行われるよう、必要な環境の整備を行うものとする。

(久留米らしい文化の創造)

第10条 市民と市は、地域の文化的な資源や人材を生かして、個性と魅力に富んだ久留米らしい文化芸術を生み出し、各方面へ発信するよう努める。

(文化的なまちづくり)

第11条 市は、文化的な視点に配慮して、施策の推進にあたるものとする。

2 市民と市は、文化芸術に配慮した美しく潤いのある都市づくりの推進に努める。

3 市民と市は、温かいもてなしのできる心豊かな風土づくりに取り組むよう努める。

(顕彰)

第12条 市民と市は、ふるさとが生んだ偉大な先達及び地域における文化芸術の優れた人材を顕彰するよう努める。

(文化資源の保存活用)

第13条 市は、市民と一体となって有形又は無形の文化財、伝承、町並み、祭その他の久留米の個性の元となる文化資源の保存と活用に努める。

(体制等の整備)

第14条 市は、市民と一体となって文化芸術の振興に係る施策を推進するため、必要な体制の整備に努める。

(基本計画)

第15条 市は、文化芸術の振興に係る施策を総合的かつ計画的に推進するため、久留米市文化芸術振興基本計画(以下「基本計画」という。)を策定する。

2 市は、基本計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市民の意見を反映させるよう努める。

3 市は、基本計画に基づく施策の実施状況を取りまとめ、その成果を適切に評価するため、必要な仕組みをつくるものとする。

(審議会の設置)

第16条 市は、久留米市文化芸術振興審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 基本計画の策定及び変更に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、文化芸術の振興に関する重要な事項

3 審議会は、文化芸術の振興に関することについて市長に意見を述べることができる。

4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関することは、市長が規則で定める。

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成18年4月1日から施行する。

久留米市文化芸術振興条例

平成18年3月30日 条例第17号

(平成18年4月1日施行)